図解 よくわかる非常用炉心冷却系
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非常用炉心冷却系
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お断り:一人でも多くのかたの理解を重視するため、上記の説明図版では特別の専門技術がなくても「視覚的に理解できる」ことを優先いたしました。また、以下の説明文では技術の厳密性を確保するため、それぞれの専門サイトの解説、説明をできるだけ原文のままで引用いたしました。文章的には難解な部分があるかも知れませんがご了承ください。なお、下記の11)12)の説明文に該当するものは上記図版には(現時点では)反映されておりません。
1)高圧炉心スプレイ系
小配管破断から中配管破断に至るまでの破断に対して単独で、被覆管の大破損を防止できる容量の冷却水をスプレイできる。水源には復水貯蔵タンク水を使用するが、復水貯蔵タンク水位が低下すると自動的にサプレッション・チェンバ内のプール水に切替わる。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
2)低圧炉心スプレイ系
低圧炉心スプレイポンプにより水源のサプレッション・チェンバ内のプール水を汲み上げ、炉心上にとりつけたスパージャ・ヘッダのノズルから燃料集合体上にスプレイして炉心を冷却する。破断口から溢流した冷却水は、サプレッション・チェンバに戻って再びスプレイ水として循環する。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
3)高圧注水系
高圧系注水を充実するため、原子炉隔離時冷却系(RCIC)に非常用炉心冷却の役目を持たせている。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
4)低圧注水系
低圧注水ポンプ(残留熱除去系ポンプ)および残留熱除去系熱交換器などからなる残留熱除去系のうちの1つのモードである低圧注水モード(図2参照)を使用し、原子炉容器内に冷却水を注入する。水源はサプレッション・チェンバ内のプール水を使用する。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
(図2) http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030401/03.gif
5)格納容器スプレー系 
原子炉格納容器の保護のため格納容器スプレイ冷却系が設けられている。この系は、残留熱除去系の1つのモードであり、冷却材喪失事故時に残留熱除去系がまず低圧注水系として自動起動し、炉心冠水後に格納容器スプレイ冷却モード(図6参照)に切り替えて使用する。格納容器スプレイ冷却系は、サプレッション・チェンバ内のプール水をドライウェル内およびサプレッション・チェンバ内にスプレイすることによって、原子炉格納容器内の温度、圧力を低減するとともに、原子炉格納容器内に浮遊している核分裂生成物を除去する。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
(図6) http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030401/07.gif
参考図版(電気事業連合会HP) http://www.fepc.or.jp/present/safety/shikumi/bougo/sw_index_03/index.html
6)非常用復水系 
原子炉が隔離された時に原子炉の冷却のため原子炉圧力容器内の蒸気を凝縮し、その凝縮水を原子炉圧力容器へ戻す機能を有する。→日本原子力発電(株)HPより
参考図版(日本原子力発電会社) http://www.japc.co.jp/tsuruga/teiken/tsuruga1/28/press/150904_4.pdf
参考図版(TEPCO) http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110524c.pdf#page=5
7)自動減圧系 
原子炉冷却材系の中小破断時に原子炉蒸気をサプレッション・チェンバ内のプール中へ逃がし、原子炉圧力をすみやかに低下させて、低圧炉心スプレイ系あるいは低圧注水系による注水を早期に可能とする。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
参考図版(TEPCO) http://www.pref.fukushima.jp/nuclear/pdf_files/10090704.pdf
8)ホウ酸水注入系 
BWRの原子炉停止系を構成する系統で、制御棒 が挿入できない場合に、中性子吸収材 を原子炉に注入して負の反応度を与え、原子炉を徐々に低温停止する機能を有している。ほう酸水貯蔵タンク の五ほう酸ナトリウム水溶液を、高圧炉心注水系 の一部を経由して、ポンプにより炉心上部に散水する。→(原子力安全・保安院HPより)
参考図版(TEPCO) http://www.tepco.co.jp/fukushima1-np/b42405-j.html
9)炉心海水注入系
この説明文を書く時点で、この言葉は当サイト独自の造語だと気づいた。今回の事故に際してやむを得ずこのような処置が取られたが、原子炉プラントのパイプは最小の部分では肉厚1ミリ前後の場合もある。延々と続く金属パイプのシステムに塩水を通す、というのは精密な機械式腕時計を塩水で洗浄するようなものである。技術者なら誰もこんな悲しいシステムは作りたくない。ましてや実行なんて、なおさらだ。この時点で東電は廃炉を決断したと推定する。→感想と推定を含む
10)ベント(ガス抜き)
1号機の水素爆発直前に行われたとされる格納容器の圧力を下げるための「ベント」が実は失敗していた可能性が高いことがわかった。ベントは安全対策(アクシデントマネジメント)の一環として92年から旧通産省(現経済産業省)が電力会社に整備を求めた。福島第一原発も98〜01年に耐圧性能を強化したベントの整備を完了。だが、今回の1号機だけでなく、東電は2号機でも「ベントの成否は不明」としている。
→毎日新聞朝刊(2011・6・24)より抜粋:なお「非常用ガス処理系」を通したかは不明
11)可燃性ガス濃度制御系
燃料の過熱によるジルコニウムと水との反応で発生した可燃性ガス(水素)のドライウェル内での燃焼を防止するため、可燃性ガス濃度制御系(図7参照)を設けている。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
図7参照 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030401/08.gif
12)非常用ガス処理系
原子炉格納容器から原子炉建家へ核分裂生成物の漏洩を伴う事故時には、常用換気系を閉鎖し、換気ファンを起動して原子炉建屋を負圧に保ちながら、漏洩した空気は非常用ガス処理系(図8参照)のフィルタを通して、排気筒から大気中へ放散される。→「原子力百科事典」より(原文のまま)
参考図版 http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/02/02030401/09.gif
BWRのECCS概略1 BWRのECCS概略2
報道各社の優れた図版(どうかがんばってください)
毎日 朝日・図解一覧
おもな参考文献
RIST(高度情報科学技術研究機構)「原子力百科事典」 http://www.rist.or.jp/
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シュミレーション
非常用炉心冷却系ECCSは今回の事故を未然に防止するための要の装置でした。しかしその構造や改変の経過、事故当時の操作の経過など、まだ不明な部分が多くあります。いまだに事態は深刻ですが今後の復旧や被害状況の把握と補償の解決に向けても、速やかにこの事故の経過が時系列的に、だれにもわかり易く説明されることが求められています。個々の被害者が関連技術に精通しているとは限らないからです。