| アメリカ国立標準技術研究所版 スマートグリッド(次世代送電網) |
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| 1)スマートグリッドとは |
スマートグリッドは製品やモノではありません。ひとつの体系です。
すでに2010年1月、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)はスマートグリッドのスタンダード、運用標準を発表しています。
「スタンダード」とか「標準」という言葉が米国発信で伝えられると、我が国は連戦連敗なのでつい引けてしまいますが、落ち込むことはありません。
スマートグリッドについてさらに言えば、ひとつの完成した姿でもありません。今回の内容、提案もそのもの自体がただちに「規格」、「世界スタンダード」として採用される、というものでもないようです。(楽観は禁物ですが)
あくまで一つのイメージなのです。
スマートグリッドというと今回の電力不足や「3・11がらみ」で電力、エネルギー問題として注目されました。まさか、いまだにそれだけだと思っているIT関係者はいないでしょうが、このNISTの図版をみていただくと議論の余地無く、この意味するべきことを理解できると思います。そうです、これからの国の、世界の行方を決するクラウドコンピュータ革命の決勝戦、というおもむきさえ感じます。
それにしてもこの文書はアメリカの真の底力を感じます。彼らは国を動かすのに決して談合や寝技、既得権、利益誘導、はては空気に文字を書く(空気を読む)神秘的なコミュニケーションとは全くの無縁です。
まず、これを見たすべての米国民は消費者、企業家、技術者などそれぞれの立場から自身の未来だけでなくその役割、そして規模の大小を問わず、彼らの向かうべきビジネスチャンスまで正確にイメージすることができるにちがいありません。
こうしたベクトルを統合する能力はぜひ学びたいものです。
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| 2)わが国の「スマートグリッド」政策 |
| 経済産業省が平成22年6月15日に公表した「スマートコミュニティフォーラムにおける論点と提案」という文章がある。NISTのすぐあとに紹介するのは少々不公平かもしれないが、米国に一勝もできなかったナデシコジャパンの快挙の例もあるので「がんばろう経産省」という意味で掲載したい。 |
| http://www.meti.go.jp/press/20100615006/20100615006-2.pdf |
| http://www.meti.go.jp/press/20100615006/20100615006.html |
| 経産省文書の見どころ!? |
筆者自身、あまり忍耐力がないので精読はしていない。やはり業界関係者にヒヤリングを重ねてまとめた、という印象から抜け出せない、退屈した記述が続く。
しかしひとつ衝撃的な箇所があった。P56(下図参照)では「スマートグリッド関連主要プレーヤーマップイメージ」として主要国内企業を堂々と掲載しているのす。(ヒヤリング先でもあるのでしょうが)
まさにこれらが経産省の想定しているメインプレーヤーだと公文書で宣言しているのです。(露骨なものを見てしまった!正直すぎる。せめて「公平性」というパンツだけでも着けて欲しかった。)
もし新規参入者がこれを見て、これからの日本政府のつくる産業政策に自分たちのビジネスチャンスがあると思うだろうか。大切なお金を投資しようと決断するだろうか。そもそも国の政策に特定の企業名を出す必要があるのだろうか。NISTの図版と比べて(やっぱり比べてしまった)みなさまにもぜひ考えていただきたい。なによりも日本の産業発展のためにも。(法人税の多額納税も期待して)

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| 経済産業省「スマートコミュニティフォーラムにおける論点と提案」P56より引用(部分) |
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| 3)隣国の「社会主義市場経済」を笑えない、日本の「資本主義社会経済」の司令塔。経産省。 |
ふつう企業とは公正な自由競争という海で泳ぐサカナです。より優れたものが生き残り大きく成長します。もちろん互いが熾烈な競争相手です。
そこに新規産業を立ち上げようと経産省が主なサカナにヒヤリングなどで相談します。もちろん経産省が旗振りする事業ならお付き合い程度にしておけばリスクもなく、うまくいけば補助金も期待できます。
おまけに初期の段階から参入しておけば競争相手となる新規プレーヤーも排除できるのです。株主と社員の雇用に責任をもつ企業の論理から言えば弁護の余地があるかも知れませんが、いったん餌付けされたサカナは外洋でまともに競争できるハズもありません。こうして新たなビジネスに挑戦するマインドをスポイルされた損失は産業界にとっても測り知れません。一方、経産省が国民に与えた損害はより直接的です。(これら損害の巨大さを思うと、例の「補助金付き天下り」の問題さえ可愛く見えてしまいます)
「再生エネルギー法」が成立し、まさにこれから経産省を中心に政策が具体化されていきます。エネルギーの買い取り、あるいは検査の為の機関も設立されていくのです。
過去に失敗した産業政策の轍を踏まさないよう、今度こそ国民は注視していく必要があるでしょう。 |
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| 過去の産業政策の教訓や失敗から謙虚に学んで欲しい経産省 |
| サンシャイン計画 |
太陽光発電の実験 |
規模4400億円 |
1974年からト18年間かける。 |
| ムーンライト計画 |
省エネルギーの研究 |
規模1400億円 |
2000年に終了。 |
| シグマプロジェクト |
日本語のソフトウェア開発ツールの作成 |
規模250億円 |
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| 情報大航海プロジェクト |
日の丸検索エンジン。グーグルに対抗 |
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2007年からスタート。 |
| シルバーコロンビア計画 |
いわゆる「退職者村」輸出計画 |
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| 「週間ダイヤモンド」2011/8/27の54ページより資料を引用、表にまとめた |
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| 以上の記述は2011年8月29日現在 |
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株式会社インプレスから「NIST Special Publication 1108」の日本語版が発売されています。
もうそろそろ廉価版も出して欲しいものです |
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| http://www.impressrd.jp/news/091217/SmartGrid2010 |
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| 参考文献:「スマート日本」宣言 村上憲郎 (著), 福井エドワード (著) アスキー新書 |
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